2016年2月27日の早朝に、「ノマド的節約術」のサーバーをSovaからAmazon(AWS)に移転して、さらにはSSLにも対応しました。
SSLに対応することで、暗号化通信ができるので、ノマド的節約術のセキュリティが高まり、信頼性も高くなります。
サーバー移転とSSL対応を同時にするのもなかなか大変で、苦労したところがいくつもありました。
このページでは、サーバー移転とSSL対応しようと思った経緯や、前と後でどのような変化があったのかを紹介しますね。
サーバーをAWSに移転した理由
最初に検討したのは、サーバーを移転することです。
幸いなことに、ノマド的節約術を多くの方に見ていただけるようになりました。
ただ、それによって、サーバーの負荷も上がってしまいます。
たまにサーバーが落ちることもあり、このままではまずいと思い始めました。
それが2015年9月頃でしょうか。
WordPress4.3になったことによるバグの影響もあり、稀にサイトが表示されないことがあり困っていたので、すぐに対応したいと思い始めます。
この頃にサーバー周りに詳しい方に相談して、Amazonのサーバーに乗り換えるということで動き始めることになりました。
乗り換える先はAmazonの「WordPress Powered by AMIMOTO (HTTP/2) Next Generation Preview AMI」です。
ただ、ノマド的節約術はオリジナルにカスタマイズしすぎていたこともあり、簡単にサーバー移転ができる状況ではなかったんですよね。
ソースコードをしっかりチェックしていただくと、意外に大変な作業になりそうなのがわかりました。
まずは移転する前にいろいろと準備しないといけないので、何をするべきなのかを洗い出していただくところから始まります。
1秒たりとも落としてはいけない
ノマド的節約術は、誰も見ていない状態がありません。深夜であっても、常に誰かに見ていただいている状態です。
そういうありがたい状況ではありますが、その分だけ責任感も大きくなります。
1秒たりとも表示されない時間があってはいけません。
表示されていないことで、信頼性を失ってしまいますからね。
表示されないことよる機会損失がとても大きいので、何があってもノマド的節約術を見ていただける状態にしたいと思っています。
システム化など今後の拡張性を重視
ノマド的節約術は、もともと個人ブログから始まったサイトです。
でも、ブログを書く以外にもやりたいことはたくさんあります。
必要なところはシステム化していくのも大切だと考えていますので、そういった動きにも柔軟に対応できるような仕組みになっているのが重要です。
Amazonのサーバーを使って管理すれば、できることが増えますので、今後ノマド的節約術をより便利なサイトにすることができそうです。
SSL対応した理由
どうせサーバー移転するのであれば、このタイミングでSSLにも対応しておきたいと思い始めるようになりました。
2015年10月頃のことです。
サイトの信頼性を高めたかった
この先、より信頼性が高いサイトであることが大切になる気がしていたので、目に見えて分かるSSLにしておこうと思いました。
SSLに対応すれば、信頼性が高いサイトの証明にもなりますからね。
もちろん中身が伴っていないと意味がありませんが・・・。
ユーザーにとってより便利・安心になるだけでなく、自分自身の気持ちを引き締める意味でもSSL対応する価値はあると思います。
その後、GoogleからもSSL対応についての発表があり、自分の考えていた方向性は間違ってなかったんだな〜と思い知らされました。
SSLにすることでHTTP/2が使える
あと、SSL対応する大きな決め手になったのが、HTTP/2という技術に対応できることです。
HTTP/2は、今までの技術よりもサイトの表示を圧倒的に早くできます。
どれぐらい早くなるかは、以下のページを見ると明らかです。
参考:CloudFlare HTTP/2
HTTP/2を使うには、SSLに対応していないといけないので、動き出すきっかけになりました。
表示の遅いページは嫌ですよね。
自分のサイトが遅くなって、見ていただく方に不便をかけたくありません。
ということで、この機会にSSLにも対応することにしました。
サーバー移転までの苦労話
最初にも少しふれましたが、サーバー移転するために準備することがかなり多かったです。
今までサイトを作っていただいた方にも協力していただきながら、移転の準備を進めていくので、コミュニケーションも大切になってきます。
私も含めて5人が関わっていたこともあり、スケジュールの調整やコミュニケーションの問題などで苦労することがありました。
あまり詳しく書くことはできませんが、自分が主導して引っ張っていくのはすごく難しいんだな〜と実感しましたね。
ディレクター的な仕事をしている方の偉大さがよくわかります。
SSL対応のためにタグを貼り替えるのが大変だった
ノマド的節約術では、Amazonを始めとしたアフィリエイトのリンクを貼っています。
SSL対応することで、httpで始まる画像や動画のURLが残っていたらエラーになってしまい、表示されなくなるんですよね。
スムーズに移転するためにもいろいろと変更していく作業が大変でした。
アフィリエイトのタグはSSLに対応していないところもあり、調整するのに苦労しました。
修正作業はこちらで全部やるので、見えないところでかなり時間を使ってましたね〜。地道な作業をひたすらこなしていました。
ASP | 対応前 | 対応後 |
---|---|---|
Amazon商品画像 | http://ecx.images-amazon.com | https://images-na.ssl-images-amazon.com |
A8.net | http://px.a8.net http://www**.a8.net | https://px.a8.net https://www**.a8.net ※1 |
バリューコマース | http://ck.jp.ap.valuecommerce.com http://ad.jp.ap.valuecommerce.com | https://cks.jp.ap.valuecommerce.com https://ads.jp.ap.valuecommerce.com |
JANet | http://text.j-a-net.jp http://image.j-a-net.jp | https://text.j-a-net.jp https://image.j-a-net.jp |
アクセストレード | http://h.accesstrade.net | https://h.accesstrade.net |
アフィリエイトB | http://track.affiliate-b.com http://www.affiliate-b.com | https://track.affiliate-b.com https://www.affiliate-b.com |
レントラックス | http://www.rentracks.jp | https://www.rentracks.jp |
フェルマ | http://t.felmat.net | https://t.felmat.net |
Link-A | http://link-a.net | https://link-a.net |
※1 「**」は数字2桁が入っています。
まだSSLに対応していない他のASPのタグを貼る場合、バナーとビーコンは使えません。純粋なリンクだけならhttpでも大丈夫ですよ。
ASPタグ以外で気をつけるのは、以下のURLでしょうか。
- http://capture.heartrails.com : キャプチャ画像
- ax.phobos.apple.com : appleアプリの画像
- mzstatic.com : appleアプリの画像
- http://img.yomereba.com : ヨメレバの画像
imgタグで別サイトの画像を見ているかどうかのチェックが大事です。
WordPressでの検索方法は、投稿一覧の右側にある検索窓に「src=”http://」を入力すると一覧が出てきますよ。
あまりの件数の多さにびっくり・・・。
しかも、SSL対応後1ヶ月半したあとに気づいてしまいました。
必ず、移転前にやっておきましょう!
SSL対応を自分でやる場合は、いつもお世話になっている今村さんのサイトを見るのがおすすめ!
参考:Webサイトを「HTTP」から「HTTPS」へ切り替える際に行う一連の作業をまとめました
SSL対応&サーバー移転して起きた変化
で、実際にサーバー移転とSSLに対応してどうなったの?と思いますよね。
サーバー自体がより強固になりましたので、明らかに表示速度は改善しました。
待ち時間がほとんどなく、すぐに表示されると思います。
今までだと、たまに遅くなる時がありましたので、この変化には満足してますね。
速度計測サイトのデータで見ると、むしろ悪くなっていたりするのですが、そもそもの体感速度の方が重要です。
とはいえ、まだまだ改善できるところもありますので、できる限りの策を尽くして、より高速化するつもりですよ。
アクセス数は下がってしまった
アクセス数の変化は、サーバー移転&SSL対応前後で全く変化はありませんでした。SSL対応していたことを忘れてしまうほど。
ただ、移転から2週間ほど経つと、ベースとなるアクセス数がじわじわと下がり始めました。
季節的な要因とか、時期的なものとかがいろいろ複雑に絡んでいるとは思いますが、あまり時期に影響されないところまで下がってしまったんですね。
移転して1ヶ月ほど経った頃には、ピーク時の20〜25%ほど下がってしまいました。
その後も半年ぐらいはじわじわと下がり続け、一番下がった日だと、ピーク時の半分弱までに落ちましたね・・・。ただ、その後は馴染んできたのか、戻しつつあります。
月間のPVでいうと、100〜150万PVぐらいは落ちました。
とはいえ、どっちにしろ通るべき道だったので、後悔はしていません。
今後も、どうなるか見守っていくしかありませんね。
Google AdSenseは変わらず
Google AdSenseの収入が下がるかと懸念していましたが、こちらも全くといっていいほど変化はありませんでした。
個人的にそんなに気にしていないところですけどね。
でも、下がらなくてよかったです。
速度計測の変化
サーバー移転前の速度計測の結果がこちら。
GTmetrix
PageSpeed Insights(モバイル)
PageSpeed Insights(パソコン)
サーバー移転後の速度計測の結果が以下の通りです。
GTmetrix
PageSpeed Insights(モバイル)
PageSpeed Insights(パソコン)
個人がAWSを導入するとコストがかかりすぎる
ちなみに、AWSに移転する前も、画像配信だけはAWSのサービスを使っていました。
画像配信のリクエスト数に応じて課金される仕組みですが、画像のリクエスト数は月間で1億回以上にもなり、支払額は毎月8〜9万円でした。
基本的にかなりお金がかかりますので、個人で運営するレベルならばわざわざAWSを導入する必要もありません。
レンタルサーバーで充分だと思いますよ。
その後、1ヶ月間運用してみると、1,085.87USDかかりました。
安定性を重視してよりよいサーバーにしていることもあり、サーバー代がかなりかかっていますね。
運用が安定すれば、もう少し安くできそうです。
さいごに
サーバー移転によって、よりノマド的節約術を安定して運営することができそうです。
表示する上でのストレスがないようにしていければと思います。
そうすることで、サイトの信頼性もより高まっていくだろうと思いますので、今後が楽しみですね。
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