「大寒(だいかん)」という言葉は聞いたことがありますか?
大寒という字面から「かなり寒い時期」のような印象を受けますよね。
大寒は、「二十四節気 (にじゅうしせっき)」という古くから日本で使われてきた暦のひとつです。
また現代でも定着している行事・節分とも関係があります。
このページでは、大寒の意味や大寒に関する食べ物・ならわしなどについて紹介しますね。
大寒はいつ? 年によっては日が変わることも
大寒の読み方は「だいかん」です。
では、大寒はいつなのでしょうか?
大寒の日は、1月20日または1月21日になります。
また、まれに1月19日になることも。
2021年(令和3年)の大寒の日は、1月20日 水曜日です。
また昔は、二十四節気の各節気は日にちではなく、期間を表していました。
期間としての大寒は、大寒の日から、次の節気である「立春 (りっしゅん)」の前日まで。
なお現在では、期間の最初の1日のみを指すことがほとんどです。
2021年の大寒の期間は、1月20日 水曜日から2月2日 火曜日までです。
▼以下に、2021年と以降5年間の大寒を紹介します。
年 | 大寒 | 大寒の期間 |
---|---|---|
2021年(令和3年) | 1月20日 | 1月20日〜2月2日 |
2022年(令和4年) | 1月20日 | 1月20日〜2月3日 |
2023年(令和5年) | 1月20日 | 1月20日〜2月3日 |
2024年(令和6年) | 1月20日 | 1月20日〜2月3日 |
2025年(令和7年) | 1月20日 | 1月20日〜2月2日 |
2026年(令和8年) | 1月20日 | 1月20日〜2月3日 |
ぜひ、参考にしてください。
大寒は季節を表す暦「二十四節気」のひとつ
大寒は「二十四節気」という暦のひとつです。
「春分」「秋分」「夏至」「冬至」などを聞いたことがありませんか?
これらも二十四節気なのです。
二十四節気とは、季節を表すための暦です。
日本では古い時代から使われていました。
古くから稲作などの農業を中心とした生活をしてきました日本では、農作業の目安として二十四節気はとても役に立ったためです。
実は、二十四節気は大昔の中国大陸・黄河下流域で生まれました。
そして、奈良時代に日本に伝来したいわれています。
稲作が盛んな日本に定着し、現在まで暮らしのなかで使われているのです。
なお二十四節気は、6つの節気ごとに春・夏・秋・冬の4つの季節に分かれます。
大寒は、「冬」の季節です。
大寒は冬の6番目になります。
二十四節気では、冬の終わりの節気なのです。
また、大寒は立春から数えて24番目。
つまり二十四節気最後の節気が大寒なのです。
なお大寒は、ひとつ前の節気である「小寒(しょうかん)」から15日後ごろ。
ちなみに、大寒は年によって日にちがズレます。
ズレが生じるのは、ほかの二十四節気でも同じです。
日にちがズレる理由については、二十四節気の記事を参考にしてください。
大寒の意味は「一年でもっとも寒い時期」
大寒という名前ですが、由来や意味が気になりますよね。
漢字の意味から「とても寒い」と予想できます。
なんと、大寒の意味は漢字の意味どおり「一年でもっとも寒い時期」を表しています。
たしかに、1月後半〜2月初めごろはとても寒い時期ですね。
実際に気象庁の統計でも、年や地域によって差はありますが、1月後半〜2月前半が一年でもっとも寒いようです。
さきほど紹介したように、二十四節気は黄河下流域で生まれました。
なので、節気の命名由来と日本の気候にズレがあることが多いのです。
いっぽう大寒は、日本の気候とあまりズレがありません。
二十四節気の中でもレアなパターンではないでしょうか。
「寒の明け」とは?大寒と節分の関係
「寒の入り」や「寒の明け」という言葉を聞いたことがありますか?
小寒の期間と大寒の期間を合わせて「寒(かん)」と呼びます。
そして小寒の日を「寒の時季が始まる日」という意味で「寒の入り(かんのいり)」と呼ぶのです。
寒の入りに対して大寒の期間の最後の日、つまり大寒の次の節気「立春」の前日を「寒の明け(かんのあけ)」と呼びます。
寒の明けは、2月2日・3日・4日のいずれかです。
寒の入りと寒の明けの間は「寒の内(かんのうち)」と呼びます。
寒の内は、だんだん寒さが本格的になる期間です。
なお寒の明けは「節分(せつぶん)」とも呼ばれます。
冬が終わり春に変わる、季節の変わり目という意味です。
節分は現在でも親しまれている、おなじみの行事ですよね。
ただ本来、寒の明け=節分は年によって変わったりします。
わかりやすくするために、現在では行事として節分をおこなうとき、毎年2月3日に固定しておこなうことがほとんどです。
節分については、以下のページで詳しく紹介しています。
大寒の時候の挨拶と使う時期・例文
時候の挨拶を知っていますか?
手紙やビジネス文書での書き出しなどよく見かける「拝啓、○○の候〜」という文のことです。
実は時候の挨拶でも、大寒が使われます。
そこで、大寒を使った時候の挨拶の例文を紹介しますね。
▼大寒を使った時候の挨拶の例文・使う時期は、以下のとおりです。
例文 | 大寒の候(こう)〜 |
---|---|
使う時期 | 大寒の期間 (大寒の日〜立春の前日まで) |
使うときに、ぜひ参考にしてください。
大寒のならわし・食べ物
日本では、さまざまな行事やならわし、特有の食べ物(行事食)があります。
大寒では、どんな行事やならわし・食べ物があるのか気になりますよね。
ここからは、大寒ならではのならわしや食べ物を紹介していきますね。
「寒仕込み」の製造がおこなわれる
古くから日本でつくられている食品のなかには、大寒の期間の寒気を利用してつくられるものがあります。
「寒仕込み(かんじこみ)」と呼ばれる食品です。
「寒づくり(寒造り、寒作り)」ともいいます。
さまざまな食品がありますが、代表的なものは以下のとおりです。
- 日本酒
- 寒天
- 凍り豆腐(高野豆腐、しみ豆腐など)
- 味噌
とくに日本酒の寒仕込みは有名ですね。
「寒稽古」がおこなわれる
大寒の期間には、武道家や格闘家らが「寒稽古(かんげいこ)」「寒修行(かんしゅぎょう)」をおこなうことがあります。
一番寒い時期にあえて外で稽古をおこなうことで、体や精神を鍛えるものです。
なかには、海や川などに入っておこなったり、寒中水泳をしたりすることもあります。
ちなみに寒稽古は、音楽など芸術分野や仏教など宗教分野でもおこなわれる行事です。
なお、ふだんは武道や格闘技をしていなくても参加できる寒稽古もあります。
寒中見舞いを出す
寒中見舞い(かんちゅう みまい)は聞いたことがありますか。
名前のとおり、寒中、つまり寒の入り(小寒)から寒の明け(大寒の最後の日)のあいだに出すハガキ・手紙のことをいいます。
厳密には大寒特有のならわしではなく、小寒と大寒、つまり寒の時期のならわしです。
寒中見舞いは、寒い時期に相手の体調を気遣って出します。
暑中見舞いの冬版ですね。
郵便局や文房具店などでは、寒中見舞い用のハガキも販売されます。
ちなみに残暑見舞いの冬版は「余寒見舞い(よかんみまい)」です。
余寒見舞いは大寒が終わったあと、立春になってから出します。
節分
さきほど紹介したように、寒の明けは節分ですよね。
厳密には大寒の最後の日のみの行事です。
また現在は毎月2月3日に固定されていることがほとんどなので、年によっては大寒の期間が終わっていることもあります。
節分では以下のようなならわしがあったり、食べ物を食べたりしますよね。
- 豆まきをする
- 柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る
- 恵方巻(えほうまき)を食べる
最近は、スーパーマーケットやコンビニなどが恵方巻きの販売に力を入れています。
そのため、節分=恵方巻きのイメージが強くなりました。
オマケ:ほかの二十四節気の記事
記念日のしおりでは、ほかにも二十四節気に関する記事を紹介しています。