「霜降(そうこう)」という言葉は聞いたことがありますか?
訓読みで「しもふり」なら聞いたことがあるかもしれません。
霜降り肉、あるいは漫才コンビ・霜降り明星などでおなじみだと思います。
でも音読みで「そうこう」と読む場合は、意味が全然違うのです。
霜降(そうこう)は、季節を表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」という暦のひとつになります。
日本では昔から使われてきました。
そこでこの記事では、霜降がいつなのか、意味や由来、時効の挨拶などについて紹介します。
霜降はいつ? 年によっては日が変わることも
まず気になるのは、霜降は何月何日なのかということではないでしょうか。
そこで、霜降がいつなのかということから紹介していきますね。
霜降は10月23〜24日のいずれかです。
だいたい10月23日のことが多いですが、年によっては10月24日のときがあります。
2021年(令和3年)の霜降の日は、10月23日の土曜日です。
昔の日本では、二十四節気の各節気は期間を表していました。
現在では、期間の最初の1日のみを指すことが多いです。
期間として霜降を表すときは、霜降の日から次の節気である「立冬(りっとう)」の前日までとなります。
2021年の霜降の期間は、10月23日 土曜日から11月6日 土曜日までです。
以下、今年と今後5年間の霜降を紹介します。
年 | 霜降 | 霜降の期間 |
---|---|---|
2021年(令和3年) | 10月23日 | 10月23日〜11月6日 |
2022年(令和4年) | 10月23日 | 10月23日〜11月6日 |
2023年(令和5年) | 10月24日 | 10月24日〜11月7日 |
2024年(令和6年) | 10月23日 | 10月23日〜11月6日 |
2025年(令和7年) | 10月23日 | 10月23日〜11月6日 |
2026年(令和8年) | 10月23日 | 10月23日〜11月6日 |
参考にしてくださいね。
霜降は季節を表す暦「二十四節気」のひとつ
霜降は「二十四節気」という季節を表す暦のひとつです。
「春分」「秋分」「夏至」「冬至」などという言葉も、二十四節気になります。
二十四節気は、古い時代から日本で使われているものです。
日本は昔から稲作などの農業を中心とした生活でした。
ですから、農作業をする際に季節の目安はとても重要です。
昔の日本人にとって、二十四節気とても大切だったといえるでしょう。
なお霜降は、二十四節気で「秋」の季節に区分されます。
6つある秋の節気のうち、霜降は6番目。
つまり、秋の最後の節気になります。
また、霜降のひとつ前の節気である「寒露(かんろ)」からは15日後ごろです。
なお霜降は年によって日にちがズレますが、ほかの二十四節気も同じようにズレが生じます。
日にちがズレる理由については、二十四節気の記事を参考にしてください。
霜降の意味は「霜が降り始める季節」
ところで、なぜ霜降という呼び名なのでしょうか?
ここからは霜降の意味や由来について紹介していきますね。
霜降とう名前は「霜が降り始める季節」という意味です。
漢字の意味そのままなので、わかりやすいですね。
初めて霜が降りたときを「初霜(はつしも)」といいます。
ちなみに気象庁による各地の平均初霜観測日(観測年:1981~2010年)は、以下のとおり。
都市名 | 平均初霜観測日 |
---|---|
札幌市 | 10月25日 |
仙台市 | 11月10日 |
東京23区 | 12月20日 |
大阪市 | 12月5日 |
鹿児島市 | 12月10日 |
ちょっとおかしいですよね?
霜降の時期に初霜が降りるのは、札幌(北海道)くらいで、ほとんどの地域では初霜がまだです。
霜降という名前なのに初霜が降りる地域が少ない理由は、二十四節気が生まれたのが日本ではないからです。
二十四節気は、古い時代の中国大陸・黄河下流域で生まれました。
そのため「霜が降り始める時期」というのは、黄河下流域での話なのです。
日本には奈良時代ごろに二十四節気が伝わったといわれています。
日本と黄河下流域では、気候が違いますが、日本に伝来後もそのままの名前で使われました。
そのため二十四節気の由来の気候と、日本の気候にズレが生じたのです。
名前と実際の気候が合っていなくても、二十四節気は農作業などの目安として使われていたので支障はなかったのかもしれませんね。
霜降の時候の挨拶と使う時期・例文
時候の挨拶を知っていますか?
手紙やビジネス文書での書き出しなどにある「拝啓、○○の候〜」のことです。
実は霜降は、時候の挨拶にも使われます。
電子メールが増えて手紙の機会は減ったとはいえ、会社の資料などで時候の挨拶を使う機会はまだまだありますよね。
ですから、霜降を使った時候の挨拶も知っておいて損はないのでしょうか。
そこで、霜降を使った時候の挨拶の例文と使う時期を紹介します。
▼霜降の時候の挨拶の例文、使う時期は以下のとおりです。
例文 | 霜降の候(こう)〜 |
---|---|
時期 | 霜降の期間 (霜降の日〜立冬の日の前日) |
なお、似た時候の挨拶として「初霜(はつしも)の候〜」というのもあります。
霜降の候は、霜降の期間に使います。
いっぽう初霜の候は、実際に初霜が降りる時期に使う点が異なります。
ぜひ、使い分けてみてくださいね。
霜降のならわし・食べ物
日本には、いろいろならわし・風習や行事特有の食べ物があったりします。
霜降には、どんなならわしや食べ物があるのか気になりますよね。
でも残念ながら、霜降の時期特有のならわしや特定の食べ物を食べる風習はありません。
しかし霜降の時期になったらよくおこなわれることがありますので、紹介しますね。
冬支度を始める
古くから霜降の時期になると、農作物に霜対策をする地域が多いです。
さきほど紹介したように、多くの地域では初霜が降りるのは少し先になります。
でも、早めの対策としておこなうところが多いのです。
また霜降のころになると朝晩が冷え込み始めるので、ストーブの火入れ(試運転)など、冬支度を始める目安にもなっています。
紅葉狩り
霜降特有の行事ではありませんが、霜降のころは多くの地域で紅葉(こうよう)が現れてきます。
そのため霜降の時期は、紅葉(もみじ)狩りシーズンの始まりの地域が多いです。
残念ながら、北海道は霜降のころには紅葉の見頃は終わっていることが多いです。
また沖縄県は紅葉の条件に当てはまらず、紅葉狩りはできません。
いっぽう東北地方や北陸地方などは、霜降の時期の前後が紅葉の見頃になります。
それ以外の地域は、霜降のころが少しずつ紅葉が赤く色づき始める時期です。
霜降の時期が来たら、紅葉狩りに出かけてみてはいかがでしょう。
オマケ:ほかの二十四節気の記事
記念日のしおりでは、ほかにも二十四節気に関する記事を紹介しています。