天皇誕生日とは?
2020年(令和2年)以降、毎年2月23日は「天皇誕生日」です。
天皇誕生日は「国民の祝日」のひとつで「国民の祝日に関する法律(通称:祝日法)」によって制定されています。
「天皇の誕生を祝う」ことが、天皇誕生日の趣旨です。
ですから当然、天皇陛下の誕生日は2月23日。
日本国は天皇を国の象徴としていて、日本国民統合の象徴としています。
天皇の誕生日を祝日としているのは、そのためです。
天皇誕生日はいつできたのか
天皇誕生日はいつからあるのでしょうか?
ここからは天皇誕生日の歴史を紹介していきますね。
もちろん天皇陛下の誕生日ですから、天皇誕生日自体は初代の神武天皇からずっとあります。
ただ天皇誕生日が祝日として制定されたのは、明治時代からです。
昔は名前が違っていて「天長節(てんちょうせつ)」と呼ばれていました。
天長節が祝日として制定されたのは、1873年(明治6年)です。
昭和の戦前には、四方拝(元日)、紀元節(建国記念の日)、天長節、明治節(現在の文化の日)と合わせて「四大節(しだいせつ)」と呼ばれ、重要な祝日とされていました。
戦後になり祝祭日の見直しがおこなわれ、1948年(昭和23年)から天皇誕生日という名称になっています。
なお祝日としての天皇誕生日・天長節は明治6年からですが、天皇の誕生日を祝う儀式は古くからありました。
現存するもっとも古い記録では、奈良時代の775年に当時の光仁天皇の誕生日を祝う「天長節の儀」がおこなわれたそうです。
天皇陛下が変われば天皇誕生日も変わる
天皇誕生日は天皇陛下の誕生日なのですから、天皇陛下が変わればそれに合わせて天皇誕生日も変わります。
ですから時代によって「天皇誕生日」の日が違うのです。
もちろん現在の「令和」の時代は、今上陛下(徳仁陛下)の誕生日が天皇誕生日になっています。
明治以降の歴代天皇の天皇誕生日をみていきましょう。
さきほど紹介したように、1947年(昭和22年)までは天皇誕生日は天長節という名前です。
また平成から令和に変わり、天皇誕生日が12月から2月に移ったことで、12月は祝日のない月になりました。
なお明治天皇の誕生日は「文化の日」、昭和天皇の誕生日は「昭和の日」(その前は「みどりの日」)として、祝日となって残されています。
しかし大正天皇と上皇陛下の誕生日は祝日として残されていません。
実は天皇誕生日のなかった年がある
意外かもしれませんが、西暦年で天皇誕生日のなかった年があります。
それは2019年です。
この年は天皇の代替わりがあり、平成から令和へ改元された年ですよね。
今上陛下の即位と改元がおこなわれたのは、5月1日でした。
上皇陛下の誕生日は12月23日。
いっぽう、今上陛下の誕生日は2月23日です。
つまり上皇陛下は誕生日を迎える前に退位され、今上陛下は誕生日を迎えたあとに即位されました。
そのため2019年=平成31年/令和元年は、天皇誕生日がなくなってしまったのです。
なお過去の改元のときは、天皇誕生日がなかった西暦年はありませんでした。
天皇誕生日におこなわれる行事
宮内庁の公式サイトによると、天皇誕生日には皇室で以下の行事がおこなわれます。
- 祝賀の儀
- 宴会の儀
- 茶会の儀
- 一般参賀
祝賀の儀・宴会の儀・茶会の儀は、一般国民は参加できません。
一般参賀は、一般の国民も参加できます。
正月などでも見られる、天皇陛下や皇后陛下ら皇室のかたがたが皇居の宮殿のベランダに並び、手を振るものです。
このときに、天皇陛下からお言葉もあります。
一般参賀の概要や参加方法については、宮内庁の公式サイトで確認しましょう。