松の内(まつのうち)という言葉を聞いたことがありますか?
なんとなく正月に関する言葉だというのは、知っているかもしれませんね。
よく似たものに門松(かどまつ)というものもあります。
松飾り・飾り松・立て松とも、いいますよ。
このページでは、松の内の意味や期間、門松との違い、松の内の由来や歴史などについて詳しく紹介していきますね。
- 松の内とはどんな意味?
- 松の内はいつ?
- 松の内と門松の違いは?
松の内とは? 門松を飾っておく期間のこと

まず、松の内の意味から紹介していきますね。
松の内は、正月に玄関前へ門松を飾っておく期間のことを意味します。
松の内と門松の違いがわかりにくい印象がありますが、松の内は飾る期間、門松は飾るものそのものを指しているんですよ。
松の内の期間は地域によって異なり、元日から1月7日または15日までが多い
松の内の意味や門松との違いがわかったら、松の内の期間はいつからいつまでなのかが気になりますね。
ここからは、松の内の期間について紹介します。
実は、松の内の期間は地域によって異なっています。
▼おもな松の内の期間は、以下のとおり。
- 1月1日〜7日(おもに東日本・九州の一部)
- 1月1日〜15日(おもに西日本)
- 1月1日〜3日
- 1月1日〜6日(東日本の一部)
- 1月1日〜10日
- 1月1日〜14日(西日本の一部)
いずれも、元日から始まる点は共通していますね。
ただ12月13日から松の内が始まる場合、12月29・30・31日の3日間だけは飾ってはいけないとされています。
もともと古くは、1月15日までが松の内だったのですが、江戸時代以降、江戸を中心に1月7日までを松の内とする習慣が生まれました。
そのため、東日本では7日までの地域が多いです。
ただし、東京の影響を受けて、全国的にも7日までを松の内にする地域が増えています。
門松は一年の始まりに神様に来てもらい幸福を運んでもらうための目印

松の内の期間がわかったら、なぜ松の内があるのかが気になります。
ここからは、松の内がある理由や門松を飾る理由について紹介していきますよ。
実は、門松は年神(としがみ)という神様に来てもらうための目印として設置しています。
一年の始まりに年神に家へ来てもらうことで、一年間幸せに暮らせるように幸福を分けてもらおうと願う意味がありますよ。
また、門松はもともと松を飾っていたので、門松といいます。
松は常緑樹で年中青々と茂っているので、生命力の象徴といわれていました。
そのため松を飾ることで、一年の無病息災や長寿を願う意味もあります。
さらに、松の葉は尖っています。
邪気は先が鋭いものが苦手とされていたので、松によって邪気払いをする意味もあったといわれています。
神様を「待つ」と「松」を掛けているという説もありますよ。
松の内・門松は少なくとも平安時代には存在していた
最後に、松の内や門松の歴史について紹介します。
実は、松の内がいつからあったのは、詳しくはわかっていません。
しかし、少なくとも平安時代には松の内がありました。
平安時代後期に詠まれた『堀川百首(ほりかわ ひゃくしゅ)』には、門松について詠まれた和歌があります。
当時は宮中行事としておこなわれていて「小松引き(こまつひき)」と呼ばれていました。
飾るものは「初子(はつね)」という松の飾りです。
その後、名前が「松飾り」「飾り松」「立て松」などと呼ばれるようになります。
▼やがて室町時代ごろから、松だけでなく竹もいっしょに飾られるように。

竹は成長スピードが速いので、生命力の象徴とされていました。
そのため、松と同じように無病息災・長寿を願って飾られたといわれています。
▼そして、松や竹のほかにも縁起のいい南天(ナンテン)や牡丹(ボタン)なども飾るように。

そして江戸時代になって、武家や庶民のあいだにも松の内の風習が広まり、名前も門松と呼ばれるようになりました。
さいごに
門松はお正月の風物詩。
なんとなく飾っていることもあるのでしょうないでしょうか。
松の内の意味や期間がわかったら、いつもよりていねいに門松を飾りたくなってしまいますよね。
ぜひ、松の内には門松を飾って、一年を健康で幸せに暮らせるように願ってみましょう。