柊鰯(ひいらぎいわし)の作法・由来について
節分の豆まきとならんで、古くからある節分の習わしが、柊鰯(ひいらぎいわし)です。
「焼嗅(やいかがし)」など、地域によって様々な呼び名があります。
柊鰯は、焼いた鰯(いわし)の頭の部分のみを、葉のついた柊(ひいらぎ)の枝に刺して、玄関先に飾るものです。
最近は、柊鰯をする家庭も減ってきたので知らない人もいるかもしれませんね。
ここからは柊鰯について紹介していきます。
柊鰯の飾り方
柊鰯の飾り方・手順は以下の通りです。
- 鰯の頭の部分と、葉のついた柊の枝を用意する
- 鰯の頭を焼く
- 焼いた鰯の頭に葉が付いた柊
- の枝を刺す
- 玄関の外に飾る
柊の枝が小さい場合は、割り箸などの棒を鰯の頭に刺して、棒に柊の枝をくくりつけます。
なお、地域によって柊鰯のやり方は異なることもありますよ。
また、柊鰯の飾る期間や処分方法も地域によって様々です。
柊鰯を飾る期間の代表的なものは、節分の日に飾り、翌日(立春の日)に飾り終わるというもの。
また処分方法は、神社に持っていって焚き上げてもらうのが代表的です。
ほかの処分方法として、塩で清めた上で紙にくるんで捨てたり、灰になるまで焼いて玄関先に埋めたりといった方法もあります。
柊と鰯が節分で使われる理由
どうして節分に柊鰯を飾るのかが気になりますよね。
じつは、柊も鰯も鬼が苦手なものと言われています。
柊の葉は先が尖っているからです。
古来より日本では、先が尖っているものには魔除けの効果があるといわれていました。
尖った先端が鬼に刺さって、鬼を寄せつけないといわれています。
また、鰯は臭いが強いのが特徴です。 臭いが強いものも魔除けの力があるとされていました。
鬼は臭いが強いものが苦手で、近づけないといわれています。
そこで、鰯の頭を焼くことで臭いを強め、さらに尖った葉を持つ柊を合わせることで、より強力な魔除けの力で鬼を追い払おうとしたものが、柊鰯なのです。
なお、柊鰯がいつから始まったのかは定かではありません。
柊鰯の代わりに鰯料理食べることもある
柊鰯はつくるのに手間がかかる上に、処分する必要もあるので、昔に比べると飾る家が減少しています。
スーパーなどでは節分に鰯料理を食べることを宣伝したりしていて、柊鰯の代わりに鰯料理を食べる家庭も多くなってきています。