人日の節句の意味や由来とは?七草粥を食べる理由も解説

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人日の節句(じんじつのせっく)って聞いたことがありますか?

ちょっと聞き慣れないですよね。

でも「七草の節句」「春の七草の日」「七草粥(ななくさがゆ)を食べる日」といえばピンとくるかもしれません。

人日の節句は春の七草を七草粥にして食べる日なんですよ。

でも、春の七草や七草粥以外のことは、あまり知られていないかもしれません。

  • 春の七草の種類がわからない
  • なぜ春の七草なのか
  • 七草粥を食べるのはどんな意味があるのか
  • そもそも人日の節句ってどんな日なのか

いろいろ疑問がわいてきますね。

そこで、このページでは人日の節句の日はいつなのか、人日の節句の意味や由来、なぜ春の七草を七草粥にして食べるのか、春の七草の種類などについて詳しく紹介していきます。

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人日の節句はいつ?毎年1月7日におこなわれる

まず人日の節句とは、いつおこなわれるものなのかが気になりますよね。

人日の節句は、毎年1月7日におこなわれます。

1月7日は、地域によっては正月(しょうがつ)の最終日や、松の内(まつのうち)の最終日となっていることがあります。

なお人日の節句は、たんに「人日」と呼んだり、「七草の節句」「霊辰(れいしん)」「元七(がんしち)」「人勝節(じんしょうせつ)」などとも呼んだりしますよ。

人日の節句とは?五節句のひとつで「春の七草」を食べて一年の無病息災を願う日

人日の節句の日が1月7日とわかったら、人日の日はどんな日で、どんな意味や由来があるのかも知りたくなってくるもの。

ここからは、人日の節句の意味や由来について紹介していきますね。

人日の節句は、「五節句」と呼ばれる節句のひとつです。

五節句が決められたのは、江戸時代。
当時は休日の概念がなかったので、現代でいうところの祝日にあたる日として幕府が定めました。

▼五節句は、以下のとおりです。

月日節句別名象徴する植物
1月7日人日
(じんじつ)
七草の節句春の七草
3月3日上巳
(じょうし、じょうみ)
桃の節句
5月5日端午
(たんご)
菖蒲(ショウブ)の節句
重五(ちょうご)
菖蒲
7月7日七夕
(しちせき)
笹(竹)の節句
七夕(たなばた)
笹、竹
9月9日重陽
(ちょうよう)
菊の節句
(栗の節句)
菊(栗)

人日の節句は、五節句の最初の節句になりますよ。

ちにみに、節句の時季は季節の変わり目にあたり、季節の変わり目は体調を崩しやすい時季です。

そのため、節句の時期に特有の植物を飾ったり、食べるなどして体内に取り入れることによって、邪気払いをして病気になりにくくするという習わしが生まれました。

昔の日本では、体調不良は邪気が影響しているという考えがあったからです。

そのため、五節句はそれぞれ象徴する植物の名を関した別名でも呼ばれるようになりました。

人日の節句には、七草粥(ななくさがゆ)など、「春の七草」を食べます。
人日の節句を別名「七草の節句」とも呼ぶのは、そのためですよ。

七草の節句のほうが、ピンと来るかもしれませんね。

しかし、ここでひとつ疑問が生まれます。
五節句のうち、人日以外の4つはすべて、奇数のぞろ目となっている月日ですよね。

人日だけ、なぜぞろ目でないのかが気になります。

それは、江戸幕府が五節句を決めたとき、1月1日は元旦としてもともと「めでたい日」だったので、五節句から外したからなのです。

1月1日の代わりに、1月1日に近い「人日」のならわしをおこなう日を、「人日の節句」として五節句に入れたのです。

人日の節句は昔の中国の「人日」の風習が平安時代に伝来したもの

そもそも人日の節句のならわしは、いつから始まったのでしょうか。

ここからは、人日の節句の由来について紹介していきますよ。

人日の節句の起源は、中国の古い時代におこなわれていた「人日(じんじつ)」のならわしにあります。

古来中国では、正月の7日間の各日をそれぞれ動物の日としました。

そして、それぞれの日にそれぞれの動物を殺さないようにし、大切に扱うという風習があったのです。

▼正月の7日間の動物の日は、以下のとおり。

1日鶏(ニワトリ)
2日狗(イヌ)
3日猪(イノシシ)・豚(ブタ)
4日羊(ヒツジ)
5日牛(ウシ)
6日馬(ウマ)
7日人間

7日目は人間の日なので、「人日(じんじつ)」と呼ぶようになりました。

人日には、人間を大切扱う日として罪人に対する刑罰をおこなわないようにしていました。

さらに、野菜がたくさん入った汁料理を食べて、栄養をとって健康に過ごすようにしていました。

やがて、中国の人日の風習が日本に伝来します。
そして平安時代初めごろから、宮中行事として人日が取り入れられるようになったのです。

中国の人日と日本古来の「若菜摘み」のならわしが混じり合って七草粥が生まれた

日本に伝来した人日のならわしですが、日本で独自のものに変わっていきました。
ほかの五節句と同じですね。

中国では野菜入りの汁料理を食べていたものが、しだいに「春の七草」と呼ばれる若菜を入れたお粥「七草粥(ななくさがゆ)」に変化していきました。

人日が伝来する前から、日本には「若菜摘み(わかなつみ)」というならわしがありました。

日本古来の若菜摘みと、中国から伝来した人日が混じり合っています。

若菜摘みは若い植物の生命力で邪気払いをするもの

若菜摘みは、新年のはじめごろにたくさんの若菜を摘み取って、若菜を食べるならわしですよ。

若菜は、これからドンドン大きくなるので、とても強い生命力があります。

そこで、強い生命力を持つ若菜を体内に取り込むことによって邪気払いをして、一年の無病息災を願っていました。

だから、人日の節句で七草粥を食べるのも同じ理由です。
若菜の強い生命力で邪気払いして一年間を無病息災を願うためなのです。

なお、春の七草や七草粥については、あとで詳しく紹介しますね。

ちなみに、若菜摘みは「小倉百人一首」の中にも出てきています。

君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ

光孝天皇が歌った歌で、若菜摘みについて歌ったものといわれていますよ。

江戸時代に幕府が五節句に制定して庶民にも広まった

平安時代に中国から伝わった人日ですが、しばらくは宮中行事などでおこなわれていて、庶民には広がっていませんでした。

江戸時代になって、人日が五節句のひとつになると、武家のあいだで七草粥を食べるならわしが広まります。

なんでも徳川将軍も食べていたとか。

武家に広まった人事のならわしは、しだいに庶民にも広がりました。

これが、現在のように全国で人日の節句のならわしをするようになった始まりです。

春の七草の種類は?実は地域によって異なる

人日の節句の由来について紹介してきましたが、やっぱり日本の人日の節句といえば、春の七草ですね。

でも、春の七草って言葉は聞いたことがあっても、どんな種類の野菜なのかはパッと思い浮かびません。

そこで、ここからは春の七草について紹介していきますね。

ただし春の七草は、地域によって種類が異なります
また、七草の数も違っている地域があって、7個より少なかったり多かったりもします。

さらに野菜以外のものも入っていたりします。

これは、地域によって入手しにくい種類のものがあるからです。

それにもともと人日の節句に食べるのは、種類や数に決まりはなく、現在のような「春の七草」となったのは江戸時代からといわれています。

また、時代によっても食べる種類も異なっていました。

現在知られている春の七草の種類は、あくまで一般的なものです。

▼一般的に知られている春の七草の種類は、以下のとおりですよ。

種類別名
セリ(芹)シロネグサ(白根草)
ナズナ(薺)ペンペングサ、シャミセングサ(三味線草)
ゴギョウ(御形)ハハコグサ(母子草)
ハコベラ(繁縷)ハコベ
ホトケノザ(仏の座)タビラコ(田平子)
スズナ(鈴菜、菘)カブ(蕪)、カブラ
スズシロ(清白)ダイコン(大根)

セリは、いまでもスーパーマーケットの青果売場や青果店で売っていて、ときどき食卓に登場しますね。

また、スズナはカブ、スズシロはダイコンのこと。
カブもダイコンも、日本でおなじみの野菜です。

ナズナは、いわゆるペンペングサ(シャミセングサ)のこと。

ペンペングサもなじみがありますが、野草として知られているので食材としてはなじみがありませんよね。

ほかの七草は、あまり見ることも少ないかもしれません。

しかし、1月7日が近くなると、スーパーや八百屋で「春の七草セット」として売り出されますよ。

ちなみに、1月7日は季節は冬なのに「春の七草」とするのは、昔は春を1月から数えていたためです。

正月を「新春」というのと同じ理由ですよ。

人日の節句でおこなわれるならわしについて

実は人日の節句でおこなわれるならわしは、「七草粥(ななくさがゆ)」くらいしかありません。

ほかに、昔は「七草爪」というならわしがありましたが、現在はほとんどおこなわれていません。

七草粥も七草爪も、春の七草に関わるならわしです。
昔から人日の節句=春の七草という日だったんですね。

ひとつずつ詳しくみていきましょう。

七草粥

七草粥(ななくさがゆ)は、人日の節句の象徴ともいえます。

人日の節句の名前は聞いたことなくても、七草粥を知っているかもしれません。

七草粥は、春の七草を具材として入れたお粥(かゆ)というのが一般的です。

もともとは、朝に七草粥を食べるものでしたが、現在は昼や夜に食べることも多くなっています。

昔から日本でおこなわれていた「若菜摘み」と、中国から伝来した人日に野菜入りの汁料理を食べるならわしが混じり合い、そこに日本人にかかせない米も入り、七草粥になりました。

現在のような七草粥の形になったのは、江戸時代からといわれています。

でも実は、地域によって七草粥の特徴はさまざまなんですよ。

理由は、春の七草が地域によって異なるのと同じで、春の七草の調理法も地域の特性に合わせたものになっています。

▼たとえば、以下のような各地の七草粥がありますよ。

  • 米ではなく餅を使う
  • お粥ではなく、おじや・鍋・汁・白米・おにぎりなどの形態で食べる
  • 米を使わず、七草を和え物(あえもの)やお浸し(おひたし)のような形態にして食べる
  • 醤油などの調味料で濃いめの味付けにする
  • 具材の七草の種類や数が異なる
  • 七草以外の具材もたくさん入れて豪華にする
  • 具材に七草を入れていない

本当にいろいろな特徴がありますね。

ほかにも、春の七草を食べるならわし自体がない、または人日の節句のならわし自体がない地域もありますよ。

七草爪

七草粥のほかに、人日の節句のならわしとして「七草爪(ななくさづめ)」があります。

1月7日の朝、七草を浸した水の中にしばらく指を入れて、そのあとに爪を切るというならわしです。

七草の力で、一年間無病息災で過ごせるとされていました。

地域によっては、七草粥で七草を茹でたあとの湯につけるところもあります。
また、1月7日の晩の風呂上がりに爪を切るというところも。

「風呂上がりに爪を切ると親の死に目に会えない」などの迷信があるので、現在ではちょっとびっくりするならわしですね。

ただし、現在では七草爪のならわしは、ほとんどおこなわれなくなってしまいました。

さいごに

春の七草は有名ですが、1月7日ごろになると、お店で七草セットが売られるので、ただなんとなく七草粥をつくって食べてしまいます。

七草を食べるのにもちゃんとした意味があることがわかったら、七草粥を食べたあと、なんとなく体力がついて元気になった気がするかもしれませんよ。

また、小さな子供がいる家庭では、子供に春の七草をひとつひとつ説明できたら、かっこいいでのはないでしょうか。

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この記事を書いた人

アサノ・ヨウスケ

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