最近では豆まきと同じくらい節分の定番行事として定着したのが、恵方巻き(えほうまき)です。
ここでは恵方巻きの作法や由来について紹介していきますね。
恵方巻きは恵方を向いて食べる太巻き寿司のこと
恵方巻きとは、節分の日に食べると縁起が良いという太巻き寿司です。
節分の日になると、スーパーやコンビニなどで大量に販売されますよね。
七福神にちなんで、七種類の具材を入れるのが恵方巻きの定番です。
現在は七種類にこだわらず、ネギトロや海鮮などいろんな種類の恵方巻きがありますよ。
家で恵方巻きを手づくりするのもおすすめです。
七福神にちなんだ七種類の具材で、よく使われるのは以下の通り。
- キュウリ
- シイタケ
- ニンジン
- カンピョウ
- 卵焼き、または伊達巻き
- アナゴ
- 桜でんぶ
もちろん、これ以外のものを入れてもOKですし、具材の数も増減しても大丈夫ですよ。
恵方は毎年変わる
恵方巻きの「恵方」とは、縁起の良い方角のことです。
節分の日に恵方に向いて恵方巻きを食べると、願い事がかなったり、1年を幸福にすごせたりするとされています。
恵方の方角は毎年変わりますよ。
2022年の恵方は北北西です。
以下で、先の恵方を紹介しています。
- 2022年:北北西
- 2023年:南南東
- 2024年:東北東
- 2025年:西南西
- 2026年:南南東
- 2027年:北北西
- 2028年:南南東
- 2029年:東北東
- 2030年:西南西
今ではインターネットで検索すれば、すぐにその年の恵方がわかります。
また、恵方巻き売場やチラシにもその年の恵方が書かれてありますので、購入時に確認しましょうね。
恵方巻きの食べ方
ここからは、恵方巻きの食べ方や作法について紹介しますね。
恵方巻きの食べ方は以下の通りです。
- 恵方巻きを用意する
- その年の恵方(縁起の良い方角)を確認する
- 恵方の方向に体の正面を向ける
- 恵方を向いたまま、恵方巻きを切らずにかぶりつく
- 黙ったまま、恵方巻きを1本全部食べきる
恵方巻きを食べるときのポイントは、食べ終わるまでひとこともしゃべらないことです。
話をすると、口から幸運が逃げるといわれています。
また、恵方巻き1本全部を食べきらないといけません。
これは「幸運を丸ごといただく」という意味があります。
でも、お子様やお年寄り、小食の方などは大変ですよね。
最近では、小さなサイズの恵方巻きも販売されていますので、安心してください。
恵方巻きははじめ大阪の風習だった
節分の定番行事となっている恵方巻きですが、豆まきや柊鰯(ひいらぎいわし)に比べると、じつは歴史は浅いんですよ。
恵方巻きが生まれた時代は諸説あります。
江戸時代後半説、明治時代説、大正時代説などです。
恵方巻きの歴史は浅いといっても、少なくとも100年ほどの歴史はあります。
また、恵方巻きの発祥地も諸説ありますが、大阪の町で生まれたという説が有力です。
大阪の商人が始めたという説や、大阪の花街の女性が始めたという説がありますよ。
昭和になって、大阪の寿司業界や海苔問屋業界が節分に恵方巻きを食べる行事を宣伝し、デパートなどでも恵方巻きが販売されて大阪の住民の間に定着していきました。
恵方巻きが全国区の行事になったのは平成になってから
昭和後期になると、大阪独自の節分の風習としてマスコミに取り上げられ、恵方巻きが全国的に知られるようになります。
さらに、大手コンビニチェーンが関西地区で恵方巻きを大々的に販売しました。
平成初期には、西日本のコンビニなどでも恵方巻きを販売されるように。
そして、平成10年前後に全国各地のコンビニやスーパー、デパートなどで恵方巻きが取り扱われるようになりました。
こうして、日本全体に恵方巻きが節分行事として定着したのです。
恵方巻きが全国に定着したのには、以下のような理由があります。
- 豆まきよりも恵方巻きの方が手軽で、片付けも簡単
- 恵方巻きは豆まきのように騒がしくない
- 豆よりも恵方巻きの方が食べ応えがあり、食事として成立する
- 豆よりも恵方巻きの方が豪華
いまでは、恵方巻きは老若男女問わず人気がありますよ。