盆の送り火とは何?いつやる?道具・やりかた・意味・由来などについて紹介

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夏の行事といえば、ですよね。
祖先の霊が家に帰ってくるという昔からの伝統行事です。

盆にはいろいろ習慣がありますが、「送り火(おくりび)」を知っていますか?

家族みんなで送り火をやるという家もあれば、家でやってみたことがないということもあるかもしれません。

都市化でなかなか送り火をやりにくくなっているからです。

そこで、このページでは送り火とはどんなものか、いつどこでおこなうか、準備するもの、やりかた由来などについて詳しく紹介していきます。
送り火ができないときは、どうすればいいかについても紹介しますね。

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送り火とは?盆に祖先の霊が無事に帰られるように送る行事

盆は、祖先の霊が家に帰ってくる行事ですよね。

送り火は、家に帰ってきて家族と過ごした祖先の霊を、無事にあの世へ帰ることができるよう願いながら火をたいて見送るものです。

ちょうど「迎え火」の逆になります。

ただし、地域・宗派などによって送り火のやり方や規模、おこなう時期などに違いがあります。
また浄土真宗など、送り火の習慣自体がありません。

盆の迎え火とは何?いつやる?道具・やりかた・意味・由来などについて紹介
盆の迎え火について紹介しているページです。迎え火をするのはいつなのか、準備するものややり方、おこなう場所について説明しています。迎え火の歴史や由来についても紹介。これを読めば迎え火について詳しく知れますよ。

送り火をする時期は盆の最終日(盆の明け)の午後〜晩

送り火がどういうものがわかっても、いつやればいいのかが気になりますよね。

盆の送り火は、盆の最終日(盆の明け)におこないます。
送り火をする時間帯は、夕方から夜のあいだです。

ただし、夕方や夜が難しい場合は午後におこなうこともあります。
午前中までは、まだ家に祖先の霊がいると考えられているからです。

帰省の都合などで、難しいこともあると思います。

前日や翌日などにずらす場合も

なお送り火の日時は、宗派や地域・家庭によって違うこともあります。
自宅や実家ではどうなっているのか、事前に確認しましょう。

盆の期間は地域によって異なる

実は、盆の時期は地域によって違いがあるのです。

もともと日本では、7月13〜16日が盆でした。

くわえて明治5年までは暦は旧暦です。
しかし明治6年(1873年)1月1日に旧暦から新暦(現行暦)に切り替わったのです。

旧暦と新暦では日にちにズレが生じます。
それがきっかけで、各地で盆の期間が変わったのです。

▼代表的な盆の期間は以下のとおり。

盆の期間解説
8月13〜16日 (8月盆)旧暦を新暦に換算するが、それだと毎年日付が変わるので、日にちだけは13〜16日に固定したもの。一番多くの地域でおこなわれる
7月13〜16日 (7月盆)旧暦の日付と同じ日付で新暦でもおこなうもの。季節感にズレが生じる。関東・東北・北陸の各一部地域でおこなわれる
8月下旬〜9月初頭 (旧暦盆)旧暦の7月13〜16日を新暦に換算した期間におこなうもの。毎年日付が変わる。沖縄や奄美など西日本の一部地域でおこなわれる。旧暦の盆期間に近い週末にする地域もある

これ以外にもあります。

8月盆の地域では、送り火を最終日である8月16日におこないます。
7月盆の地域は7月16日におこなうのです。

送り火のやりかたは?

送り火の日時の次は、送り火のやりかたについて紹介していきますね。

送り火で使うものは「おがら」と「焙烙」

送り火をするのに準備するものは以下のとおりです。

  • おがら(苧殻)
  • 焙烙(ほうろく)

基本的に、送り火は迎え火のときと準備物や手順などは同じです。
そのため迎え火であまったものをそのまま使っても構いません。

盆が近くなるとスーパーマーケットや百貨店、仏具店、ホームセンター、インターネットショップなどで「迎え火・送り火セット」として売られます。

送り火は玄関前や門の前でおこなう

準備するものがそろったら、次は送り火をする場所についてです。

場所は玄関の前や門の前でおこないます。

念のため、火消し用の水もあれば安心です。

ただし、火を扱いますのでマンションやコーポの場合は、絶対にしないでください
また門の前が道路の場合は、通行の邪魔になりますので控えましょう。

さらに風が強いときは、火事になるかもしれませんので、中止してください。

送り火の手順

準備物がそろい場所もわかったら、いよいよ送り火をするときですね。

ここからは送り火の手順を紹介していきます。

▼送り火の手順は、以下のとおりです。

  1. おがらが長い場合は、適切な長さに切る
  2. 焙烙の上に新聞紙を少しちぎって載せる
  3. 焙烙の新聞紙の上に、おがらを載せる
  4. 火をつける
  5. しばらくして火が消えたら、片付ける

だいたい迎え火のときと同じやりかたです。

順に詳しく紹介しますね。

はじめに、いらない新聞紙などを少しだけちぎって、グシャグシャにして焙烙の上に置いてください。

これは、おがらだけでは燃えにくいためです。

次は新聞の上から、おがらを載せます。

おがらが焙烙に対して長いことがあるので、適切な長さにハサミなどを使って切ってください。

おがらは互い違いになるようにして載せるのがおすすめです。
こうすると、あいだに空気が入って燃えやすくなります。

次は、火をつけます。
火をつけるのは下の新聞紙です。

火がついたら、手を合わせて祖先の霊が無事に帰るようにお祈りしましょう。

火が消えたら、念のため水をかけてくださいね。

また風が強いときは火事にならないように、終わったら水をかけてすぐに消しましょう。

おがらの燃えカスは、各自治体の捨てかたにしたがって捨ててください。

家で送り火ができないときは「盆提灯」で代用

盆提灯

マンションだったり風が強かったりするときは、送り火はやめるように紹介しました。

でも、せっかく年に一度の行事ですから送り火をやってみたいという場合もあるかと思います。

そんなときは、迎え火と同じように「盆提灯(ぼんちょうちん)」をつけて代用しましょう。

盆提灯は、盆が近くなると仏具店などで販売されます。

送り火の由来や歴史

盆の送り火はいつからあるのでしょうか?
ここからは送り火の由来や歴史について紹介します。

盆は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教の法要で、おもに寺でおこなわれていました。

日本での盆の起源は古く、飛鳥時代の推古天皇のときである西暦606年におこなわれたのが盆のはじまりとされています。

迎え火は送り火とセットでおこなわれることが多いです。
しかし、迎え火も送り火も、いつごろから始まったのかなどの由来はよく分かっていません。

一説によると、鎌倉時代から始まったともいわれています。

現在のような迎え火や送り火の風習が定着したのは江戸時代という説が有力です。
しかし、最初は上級武士など上流階級の風習だったといわれています。

有名な送り火の行事

実は、送り火は家庭でおこなうものだけではありません。

地域のみんなでおこなう盛大な行事もたくさんあります。

迎え火は家庭単位だったり、小さな地域でやるにしても小規模だったりすることが多いです。

送り火のほうが盛大なのは、祖先の霊が帰るのが名残惜しかったり、霊が帰ってきたことに感謝したりするためともいわれています。

地域単位でおこなわれる送り火の中には、全国的に有名で、観光行事になっているのも多いです。

そこで、全国の代表的な送り火の行事を紹介していきますね。

五山の送り火(京都市)

「五山の送り火」は、京都市で毎年8月16日におこなわれる行事です。

通称「大文字の送り火」として知られています。

迎え火の行事として全国的に有名で、京都を代表する行事です。

五山とは京都にある五つのやまで、それぞれの山の上に文字や船の形に火が灯されます。

火の形
如意ヶ嶽「大」の字
西山・東山「妙」「法」の字
船山船の形
大文字山「大」の字
荼羅山鳥居の形

五山大文字の送り火は、京都市登録無形民俗文化財に登録されていて、毎年多くの人が訪れています。

奈良大文字の送り火(奈良市)

「奈良大文字の送り火」は奈良市で毎年8月15日におこなわれる行事です。

市内にある「高円山(たかまどやま)」の上に、大きな「大」の形の送り火が灯されます。

奈良市内のさまざまなスポットから鑑賞できるので、毎年多くの観光客が訪れる人気行事です。

灯籠流し(各地)

灯籠流し(とうろうながし)も、送り火の一種とされています。

灯籠流しは、小さな船の上に小さな灯籠を置き、火をともして川やなどに流すもので、かなり古い時代から存在する風習です。

船の上にいっしょにお供え物を載せる地域もあります。

日本でもおこなう地域とおこなわない地域があり、地域差が大きいです。

規模が大きく有名なものは、以下のようなものがあります。

  • 永平寺(福井県坂井市)
  • 広沢池(京都府京都市)
  • 嵐山(京都府京都市)
  • 河口湖(山梨県富士河口湖町)
  • 野川(東京都調布市)
  • 浅草(東京都台東区)
  • 広瀬川(宮城県仙台市)

近年、ゴミ問題から流した船を下流で回収する必要があるため、負担が大きいので灯籠流しをおこなっていた地域でもじょじょにやらないようになってきています。

なお灯籠流しは、祖先の霊を見送る盆の送り火としての行事以外でおおこなわれ、広島の「ピースメッセージ」などが有名です。

精霊流し(長崎・佐賀・熊本県)

「精霊流し(しょうろうながし)」は送り火に起源がある行事です。
灯籠流しが変化したものといわれています。

長崎県の多くの地域でおこなわれるほか、隣接する佐賀県・熊本県の一部地域でもおこなわれる風習です。

精霊流しは、初盆を迎えた家族が、盆提灯や造花などで飾られた大きな「精霊船(しょうろうぶね)」に霊を乗せ、「流し場」まで道を練り歩きながら運んでいきます。

精霊船の飾り付けは、故人の趣味などにまつわるものがあったり、細部までこだわったものがあるなど、豪華で個性的です。

また、大きな掛け声を出したり、花火や爆竹がなったりととても派手でにぎやかなにおこなわれます。

長崎の精霊流しは、長崎出身のシンガー・ソングライターであるさだまさしが所属した「グレープ」のヒット曲『精霊流し』で有名になりました。

さいごに

最近では自宅の環境の変化などで、送り火がやりにくくなったかもせれません。

地域の行事として送り火がおこなわれている場合は、ぜひ参加してみてください。

盆は家族や親戚が集まって楽しく過ごす時期です。
せっかく盆を楽しむのですから、最後はしっかりと祖先の霊を見送りたいですね。

オマケ:盆に関する記事の一覧

記念日のしおりでは、ほかにも盆に関する記事があります。

ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

アサノ・ヨウスケ

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