「雨水」という言葉を聞いたことがありますか?
雨水の読み方は「うすい」。
「あまみず」ではありません。
雨水は、「二十四節気 (にじゅうしせっき)」という古くから日本で使われてきた暦のひとつです。
とはいっても、二十四節気が何かわかりにくいかもしれません。
そこでこのページでは、雨水の意味や由来、雨水に関するならわしなどについて紹介しますね。
雨水はいつ? 年によっては日が変わることも
まず雨水とはいつなのかが気になりますよね。
そこで、雨水がいつかについて紹介していきます。
雨水の日は2月19日、また年によっては2月18日になることもあります。
2022年(令和4年)の雨水の日は、2月19日 土曜日です。
また昔は、二十四節気の各節気は日にちではなく、期間を表していました。
期間としての雨水は、雨水の日から次の節気である「啓蟄(けいちつ)」の前日までです。
現代ではほとんどの場合、雨水といったときは、雨水の期間の最初の1日のみを指します。
なお2022年の雨水の期間は、2月19日 土曜日から3月4日 金曜日までです。
▼以下に、2022年と以降5年間の雨水を紹介しますね。
ぜひ、参考にしてください。
雨水は季節を表す暦「二十四節気」のひとつ
雨水は「二十四節気」という、日本に昔からある暦のひとつです。
「春分」「秋分」「夏至」「冬至」などを聞いたことがありませんか?
これらも二十四節気になります。
二十四節気とは、季節を表すための暦です。
日本は、古くから稲作などの農業を中心とした生活をしてきました。
そのため、農作業の目安として二十四節気を利用してきたのです。
二十四節気は奈良時代に導入されたといわれ、その後も現代まで使われてきました。
なお二十四節気は、6つの節気ごとに春・夏・秋・冬の4つの季節に分かれます。
雨水は「春」の季節です。
春の2番目の節気になります。
ちなみに雨水は、ひとつ前の節気で二十四節気の最初の「立春(りっしゅん)」から15日後ごろです。
二十四節気はほとんどの場合、立春から数え始めます。
つまり雨水は、二十四節気の2番目の節気なのです。
ちなみに、雨水は年によって日にちがズレます。
それは、ほかの二十四節気でも同じです。
なぜ日にちがズレるのかについては、二十四節気の記事を参考にしてください。
雨水の意味は「暖かくなってきて雪が雨になり、氷がとけて水になる」
雨水という名前ですが、意味や由来が気になりませんか。
ここからは、雨水の意味・由来について紹介していきますね。
雨水とは、「気候が暖かくなり始め、雪は雨に変わり、氷がとけて水になる」という意味です。
だから雨と水と書くんですね。
でもよく考えると、雨水は2月の中旬。
雨水の期間だと、2月の中旬から3月の初めごろですよね。
まだまだ寒い時期で、暖かくなり始めるというイメージは思い浮かばないのが正直なところ。
なぜ寒い時季なのに、雨水と呼ぶのでしょうか?
理由は、二十四節気が誕生した場所に関係しています。
実は二十四節気が生まれたのは、日本ではないんです。
二十四節気は大昔の中国大陸、黄河下流域で生まれました。
その後、奈良時代に日本に伝来して定着したといわれています。
当然、日本と黄河下流域では季節が異なりますよね。
でも日本に二十四節気が伝来しても、名前や時期はそのままで使われたのです。
そのため、節気の命名由来と日本の気候にズレが生じました。
これが、まだ寒くても雨水と呼ぶ理由です。
昔の人にとっては農作業の目安になる暦があればOKで、名前の意味までは深く気にしなかったのかもしれませんね。
ちなみに春一番は、雨水の期間中に吹くことが多いといわれています。
春一番とは立春を過ぎて初めて吹く、強い南よりの風のことです。
雨水の時候の挨拶と使う時期・例文
時候の挨拶を知っていますか?
手紙やビジネス文書での書き出しなどよく見かける「拝啓、○○の候〜」という文のことです。
実は時候の挨拶でも、雨水が使われます。
そこで、雨水を使った時候の挨拶の例文を紹介しますね。
▼雨水を使った時候の挨拶の例文・使う時期は、以下のとおりです。
| 例文 | 雨水の候(こう)〜 |
|---|---|
| 使う時期 | 雨水の期間 (雨水の日〜啓蟄の前日まで) |
ぜひ参考にしてください。
雨水のならわし・食べ物
日本では、さまざまな行事やならわし、特有の食べ物(行事食)がありますよね。
雨水では、どんな行事やならわし・食べ物があるのでしょうか。
ここからは、雨水ならではのならわしや食べ物を紹介していきますね。
ただし食べ物については、雨水特有で有名なものはありませんでした。
農作業の準備を始める
古くから雨水は、稲作などの農作業の準備を始める目安とされてきました。
しまっていた農機具の手入れをしたり、苗床(なえどこ)の準備をしたりします。
雛人形を飾る
女の子がいる家では、雨水を目安に雛祭り(桃の節句・上巳の節句)の雛人形を出し、飾ります。
「雨水に雛人形を飾ると、将来いい結婚相手にめぐまれる」という言い伝えがあるのが理由です。
昔のひな祭りは、人型に切った紙に厄を乗せて水に流す行事でした。
いっぽう、雨水は「雪がとけて水になる」という意味です。
雛人形も雨水も水に関わりがあったので、両者が結びついたのではないかという説があります。
なお、雛人形を雨水に飾るといいという話の理由は諸説あり、どれが有力かはわかりません。
ちなみに雛人形についての詳細は、以下の記事を見てください。
オマケ:ほかの二十四節気の記事
記念日のしおりでは、ほかにも二十四節気に関する記事を紹介しています。

